【決算の概況】
4月末決算
あなたの会社の決算書に「役員貸付金」という勘定科目がありませんか?
役員貸付金は資産の欄に入るため、一見、プラスのように感じるかもしれませんが、
「貸付金」は銀行に嫌われる勘定科目の一つ。
役員貸付金は、「会社が役員に貸したお金」のはずなのに、役員の口座に振り込まれていないというのもよくある話。その場合、領収書がない支払いだ、個人的な貸付であるなど使途が不明で、会計上で処理するためだけに作られた勘定科目ということもあり、もし1,000万円の役員貸付金があれば、それだけ会社が赤字という結果もあり得るのです。
役員貸付金の勘定科目があると、間違いなく銀行の担当者に説明を求められます。
せめて、どのような目的で使用したお金なのか、説明できるようにしておきましょう。
そこで今月のポイント。
決算に向けて貸借対照表はキレイに整理しましょう。
「役員貸付金」は「役員借入金」で決算までに相殺するのがおすすめ。
役員借入金は、「会社が役員から借りたお金」ですが、銀行からの評価は高くなります。
もし役員の口座に1億円を持っているなら、決算日の4月30日の1日だけでも会社の口座に入れておく、それだけで「銀行格付」が上がります。
役員借入金は、役員だから返済はいつになっても良い、つまり、返す期間が決まっていないお金なので、長期負債となります。現金は流動資産となり、現金が増えることになります。
また、中小企業に与えられた金融庁のルールで、役員借入金は資本金とみなして良いというルールがあります。債務超過が1,000万円あったとしても、役員借入金が1億円あれば資産超過の決算書にすることができます。
家賃や保険料などの「前払費用」が流動資産に入っていても銀行は評価しません。
前払費用は「事前に払っている費用」。例えば、4月30日の決算日に5月以降の家賃や保険料などを払っているだけ。いずれは経費になる費用です。
評価されるのは何より現預金。
あなたが銀行だったら、2億円の流動資産があったとしても、現金が10万円の会社と、現金が1億円の会社と、どちらに融資したいですか?現金が1億円の会社の方が安心ですよね。
難しく考えず、普通の人の感覚で考えれば理解できるはず。
「仮払金」も決算までにキレイにしておきたい勘定科目の一つ。
あくまで「仮に支払ったお金」なので、できるだけ早く本来の勘定科目に振り替えましょう。
どちらにしても、回収できない資産だとわかるとゼロ評価。
説明ができなければゼロどころかマイナス評価になりかねません。
何も調整せずに銀行に決算書を提出していては損をするばかり。
決算の前までに策を講じましょう。
あなたの会社のために、できることはたくさんあります。